長老が酒に酔い演説が始まった。
「俺たちは終戦後の疲弊した中で、食糧難になり何も食べるものが無くなった。そりゃあひどいものだったよ。ドブの近くに生えている雑草まで食べて飢えをしのぎ、朝から夜遅くまで働いた。国の復興のために真剣に頑張ったのだ、今は何だ、国の事を真剣に考えている政治家など一人もいない。このままでは日本はパンクする。日本人は海外で色々な分野でトップを走っているが、優秀な人材が海外に流れて自分の国の為に頑張れる土壌が無い。有能な人材が潰されて利権の為に利用されている。何でこんな国の体質になってしまったのだ。何でも自分から必死に仕事して頑張れる日本人が減ってしまった。楽をして生きて行こうという人達が多すぎるのだ。日本人は骨抜きにされた・・・、これは占領政策だから・・・。」多分スポーツ、セックス、スクリーンという3S政策の事を言っていると思った。
「増え続ける国民一人当たりの借金、ますます増加する。参議院など必要ない。国会議員や公務員の定員の削減、くだらない事業をどんどんカットしても追いつかない。」長老の怒りが伝わって来た。
もう一人の人も言った、
「今の大学生の中には第二次世界大戦で日本がアメリカに敗戦した事を知らない人達がいる、アメリカとは仲良しだから・・・。」とんでもない知識の欠落。今の学校教育では近代史を細かく教えていないからかも知れないが、それにしてもひどい話だ。
宴会は上記の内容に尾ヒレがつき1時間に及んだ。宴会は早めに切り上げてカラオケに移動。1時間ほど歌って解散した。
「若い連中に今日の事伝えてくれ・・・。」と長老が別れ際に言った。
実際飲んだ酒の量はビールコップ1/4程度、酒を注ぐ代わりにウーロン茶を大きなコップに2杯飲んだだけだった。酒の飲めない宴会は辛いものである。
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