お伊勢まわり - 蒼い凝り人の独り言

お伊勢まわり

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 娘が一人で伊勢神宮へ参拝に行った。台風が東シナ海にあり日本各地は湿った空気が流れ込んで1時間に50ミリを超える地域があるので十分注意してくださいとTVニュース。こんな時期に夏休みだそうだ。無事に行って帰って欲しい。神社に行って将来の伴侶と幸せになれる様にと切ない気持で出かけたものかは知らないが、神様はすべてお見通しだ。

 娘が出かけた後に、ミンミンゼミの鳴き声が盛んに聞こえてきた。最初はごくリズミカルに鳴いているが、次第にミーンミーンと鳴く間隔が不安定になり、鳴き声が乱れると他の木に飛んでゆく。おしっこをちびりながら。ほんの短い間に調子に乗り、すぐに不規則な鳴き声に変わり他の木へといった行動に落ち着かない雰囲気を感じる。何をあせっているのだ。ここにもメスの蝉はいないのか?短い一生を死に物狂いでメスを探しているのだろう、将来の子孫の為に・・・。まさに人間から見れば夏の風物詩、この時期この時間、白い蝉取り網をもった少年時代の自分の目に焼き付いているミンミンゼミのお腹を動かして鳴く姿がそこにある。

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 今日8月10日は母の命日だ。12年前の今日だ。思わず合掌してご冥福をお祈りする事にした。母が生前に言った話に、自分の兄が台湾で飛行訓練中に墜落して戦死した物語がある。その兄が秘かに妹(わが母)に遺書をしたためていた。そこには自分が戦死したら、真夏の白い雲を見たら自分の事を思い出してほしいと書いてあったという。母は毎年の盛夏に青空に浮かぶ入道雲を見ては「お兄さんの笑顔」を感じたという。母と母のお兄さんは非常に仲の良い兄弟だったと聞く。今では二人とも青空の雲の上で再会している事だろう。合掌の中に安らぎがあった。

 青い虚空の彼方、白雲の中に母と母のお兄さんを観じ、笑顔で娘の伊勢神宮行きを見守って欲しいとしばし思わずにはいられなかった。あの戦争から65年の歳月が流れ去った。戦禍に一命を落とされた多くの御霊にも感謝をささげる

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この記事について

このページは、yoshirouが2010年8月10日 17:07に書いた記事です。

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